私は先輩に嫌われている⑫

「大丈夫、僕はいいと思うよ。君の文章には素晴らしいところがたくさんあるから。それに、好きなジャンルを書くのは自由だろう?」と生田部長が言った。

私は、生田部長が自分の文章を認めてくれたことに胸が高鳴った。

その後、私たちは仕事に戻り、校正作業を続けた。しかし、私はまだ千羽さんに恥ずかしいことを見られたことが気になっていた。

「千羽さん、あの時のこと、もう忘れてください……」と私は謝りに電話をした。

すると、千羽さんは「大丈夫だって。君のことを思って言っただけだよ」と優しい声で言ってくれた。

私は、彼の優しさに、心が温かくなった。

その後、私たちは編集部の仕事で忙しくしていた。

ある日、生田部長から「みのり、今週末は俺と一緒に出張するから」と言われた。生田部長との出張とは、夢のような話だった。

当日、私は生田部長と一緒に、新潟県の某温泉地に向かった。その途中で、生田部長は「お前の文章は本当に素晴らしいよ」と言ってくれた。私は、感謝の気持ちで一杯になった。

温泉旅館に到着すると、生田部長は私に「今日は、君が食事を注文するんだ」と言った。私は、少し戸惑いながらも、嬉しくて頷いた。

食事中、生田部長は私に「君が好きな夏目漱石、『こころ』を読んだことがあるか?」と聞いた。

私は、彼が私の好きな作家を知っていることに驚いた。

「もちろんです。夏目漱石は私のお気に入りの作家です」と私は答えた。

生田部長は、私たちのテーブルにあったメモ用紙に何か書き込み始めた。そして、それを私に差し出した。

「次の短編、君が担当するから、こころをテーマにしたものを書いてくれないか?」と書かれていた。

私は、その短編を書くことを決意した。

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早寝早起き朝うどん

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