「大丈夫だって、俺がついてる。どこでも行くぜ」
「……ありがとう」
生田部長が優しい目で私を見つめる。いつの間にか手を握っていた私の手をそっと握りしめた。
その瞬間、私は彼に惹かれている自分に気づいた。
「あの……生田さん、私ね、昔から夏目漱石が好きなんですよ」
私がつい口を開いてしまった。
「へぇ、漱石か。俺はあまり読まないな」
「そうなんですか?」
「まあ、でもお前が好きなら読んでみようかな」
生田部長が微笑んでくれる。
その笑顔に私はドキッとしてしまった。
こんなに素敵な笑顔をしている彼を前にして、私はますます彼に惹かれていく。
それからというもの、私は生田部長と一緒に出張する機会が増えた。
彼の傍にいると、いつもと違う気持ちになる。
彼の隣にいると、私はいつも以上に頑張ろうと思えた。
そして、ある日のこと。
私たちは一緒に東京駅に向かって歩いていた。
「あの、生田さん」
私は勇気を振り絞って彼に話しかけた。
「なんだ」
彼は私を見つめた。
「私、生田さんのことが好きなんです」
私は自分でも驚くほど大胆な発言をしてしまった。
彼はしばらく黙っていた。
「そうか、俺もな」
彼の返答に私は目を疑った。
「え、えっと……」
「俺もお前のことが好きだって言ってるんだ」
生田部長が笑顔で私に話しかけてくれた。
その瞬間、私は幸せを感じた。
今まで苦手だった出張も、生田部長と一緒なら楽しく思えた。
私たちは一緒に会食をしたり、ライトアップされた夜景を眺めたりした。
そして、その晩。
私たちは同じ部屋に泊まることになった。
彼は私にやさしく微笑みかけ、私は彼に抱きしめられた。
私たちはキスを交わし、そのまま愛を確かめ合った。
その夜、私は幸せに包まれた。
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