それからというもの、毎日のように私は蓮と一緒に暮らした。
最初はぎこちなかった二人だが、次第に打ち解けていった。
そしてある日のこと―――
「ねえ、蓮。ちょっと話したいことがあるんだけど」
夕食後、食器の後片付けをしている蓮に向かって私は話しかけた。
「ん、なんだよ改まって」
蓮は不思議そうな表情を浮かべた。
「私、好きな人ができたの…」
私は静かに切り出した。
「そっか……今まで一緒に過ごしてくれてありがとう」
寂しげに微笑む蓮を見て、胸が締め付けられた。
「待って!! まだ話は終わっていないわ」
思わず大きな声を出してしまった。
「えっ?」
「あのね、その人のことがとても気になるの……。だけど告白する勇気がない。だからあなたに協力してもらいたいの」
「協力って何をすればいいの?」
「それは……」
言いかけて、言葉を飲み込んだ。
(言えるわけないじゃない! あなたのことを好きだなんて)
「どうしたの? 」
「ごめんなさい、何でもない…」
慌てて誤魔化した。
蓮はとても気になっている様子だったけど、それ以上聞いてはこなかった。本文
少年を拾った私②
2023年2月12日
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